「えっと…まあ、一応、幼馴染?」
「お、幼馴染!?
こ、これはすごいネタになるぞ〜〜!」
目を一層キラキラさせながら何やらブツブツと1人で話し続ける高野さん。
ネタ……?
いったい何がそんなものになるんだろう。
「貝斗のことが、
なんでそんなに気になるの?」
「何言ってんの!!!
雪染貝斗!!!突然現れた絶世のあのイケメンが今は女子の話題のほとんどを占めてる!教室に入ってから少ししか時間が経ってないのにこの話題の盛り上がりよう…
何者なの…!?」
一人、盛り上がる高野さん。テンションと声が、異様に高い。
っていうか、貝斗、もうそんなにモテてるの!!?貝斗と話したことないひとがほとんどでしょ?
イケメン…恐るべし。
「ああ、ごめん。突然。
私、噂が大好きなんだ!新聞部に入っていろんな情報をゲットしてやるつもり!!!
雪染貝斗の幼馴染ってのも興味あるし、何よりなんか仲良くなれそうな気がするし!
よろしくね、二葉!」
あ、名前…呼び捨てしてくれた。
差し出された手のひらと、眩しい笑顔。これは、もう友達になれたのかな…?
「うん!よろしくね。由奈!」
勇気を振り絞って一歩踏み出して、"由奈"と呼んでみる。それにまた笑顔で頷いてくれる、友達ができた。
高校生活、楽しく過ごせそう…!
