一気に突然向けられる視線が痛い。怖い。
ごめんなさいごめんなさい…と心の中で唱えながら黒板に貼ってあった自分の席に着く。
窓に近い端の列の前から三番目。そこそこ上出来な席だけど、今は呑気にそんなことを喜べる訳でもないし、その喜びを共にできる友もいない。
「んだよテンション低いなお前。
俺と離れて寂しくないのー?」
空気を読まず離れた席から大声で話しかけてくる貝斗をガン無視して、俯いた状態でしばらくいれば誰かが話し始め一気に教室が元の状態に戻った。
よかった!!!注目されなくなった!!
そう喜んだのもつかの間、やっぱり見られてるって感じるのは、気のせい……だよね?
ヒソヒソと話される話題が自分のことのような気がしてならない。
「ねえっ、夏木さん………だよね?」
「え、うん…」
安心できる、女の子の声。
顔を上げれば、そこには目を輝かせて私の机に手を置くショートカットの美女がいた。
こ、この人も顔が近い…!!
「私、高野 由奈っていうんだけど。
突然だけど、雪染くんと知り合いなの!?」
「…へ?」
突然の質問。
雪染くん…って、貝斗のことだよね??
