ま、まあ、
どーせ、カッコよくなったってビビりで全然ダメダメなままでしょ…
「貧乳なところも、変わってないけど、
…可愛くなったな。」
「…えっ?」
「あ、俺も五組だから高校、一緒のクラスよろしくな。」
「え、あ、うん…」
突然のことに、私、呆然。唖然。
脱ぎかけの靴を片手に、身体が動かない。
『可愛くなったな』『可愛くなったな…』『可愛くなったな………』(エコー)
って言った!!?!?
あの、私以外との会話なんてほぼ、滅多にしないあの貝斗が!!!?
うんとかううんとか言わなかったあの貝斗が!!?
ていうか、『可愛い』なんて男子に言われたことなんて生まれて一度もなかった。
普通、あんな軽く言えるものなの!!?
花火大会とか行って浴衣着てきた彼女になかなか言えなくて頑張って言おうとする言葉じゃないの!!!?!!?
さっきから暴れっぱなしの心臓が、まだ落ち着いてくれない。真っ赤になった顔は、熱くて熱くて仕方ない。
…異性と会っただけでこんなになっちゃって、私、恋なんてできるの??(泣)
