わ、私!!?私のこと呼んでたの!!?


頭のおかしいような声を出して、振り返ると知らない男の子が立っていた。


私の頭が肩にも届かないくらい、背が高くて、顔はまるで少女漫画の王子様みたいな整いよう。セットされ過ぎず、かといってボサボサって訳でもない黒髪。



うわ…誰だか知らないけどすごいイケメン……



「誰だか知らない、ってひでーな。二葉。
イケメンってのは、嬉しいけど。」


「だってほんとに知らない…

って、私声に出てた!!?!?」


「アホなとこも変わってない…
ほんとに覚えてないの、俺のこと。」



ん?と片方の唇を少しあげて首を傾げながら顔を近づけてくるイケメン。


…ちかい!っちかい!整った顔が、何より高い鼻が私の低い鼻と触れ合ってしまいそうなくらいに、ちかい…っ



心臓がバクバクと暴れて、顔が熱い。
もう、むり…っ




「ブハッ、何その反応。
純情ぶってんの?面白いな。」