「はぁぁ?
なんだそれ、そんなの無視して俺とろう」
「む、無理だよ!何言ってんの!」
「…ったく、なんでそんなメンドくさいこと引き受けたんだよばかだな…」
「な、貝斗庇ってくれたでしょ!?!?」
「それはそれ!!これはこれ!!」
「っい、意味わかんない!!!!」
またくだらない言い合いになってしまう。
こんなことじゃなくて、お礼が言いたいのに!
でも、なんだかこんな言い合いも昔みたいでちょっと楽しいかも。
「あ、あの、夏木…さん?」
そんなときに遠慮がちに肩を叩かれ、名前を呼ばれた。
気づいたら、田村くんがあのいろんな人たちの集団から抜けてきて私たちの隣にいる。
う、うわぁぁぁぁた、田村くんに!!!男子に!!肩をトントンってされちゃった!!!!
緊張が体中に走り、顔が赤くなる。
いかんいかん!平常心、平常心!!!!
「あ、田、田村くん!ごめん!じゃあ先生のところ行こっか!」
「うん、そうだね。
あ、えっと…雪染くん、だよね?」
「…そう、だけど。」
ってあれ、貝斗ちょっと不機嫌?
どうしたんだろう、まさか、そんなに私との口論でムカついちゃった!?
