え…?



「お前らが誰もやろうとしないから、やってあげようとしてんじゃないの?」




教室に凛と響き渡るのは、…貝斗の声、だ。





「それをそんな風に言うやつ、なんなの。」




私のために、怒ってくれてる。



バカだよ、貝斗。


そんなこと言ったら、貝斗こそ嫌われちゃうじゃん。




でも…、昔から貝斗はそうだったよね。




やっぱり変わってない。自分がどんなこと言われても気にしてないみたいに、無視し続けてたのに、私がなにか言われると言い返してくれた。




自分より他人のことばっかな貝斗は変わってないんだね…





初めは、怖いと思った。


変わってしまった貝斗が、わからないと思った。





だけど、今はーーーー




胸が熱くなる理由を、私はこのときまだ知らない。