じっと公園を眺めながら、静かに話し始める貝斗。
その瞳の奥に秘められている強い光に、昔の貝斗が重なる。
「ここ、座って。」
え、と思った瞬間また手首を引っ張られて私が振り払えないくらい強い力で私をブランコに座らせた。
どうしたんだろう、離された手首がなんだか熱い。
「か、貝斗…?」
「あんときも、こーやって話したよな。」
昔を懐かしむように目を細めた貝斗。
そのお別れの日は、私がブランコに座っても立っている貝斗と同じ目線くらいだったのに…
今は、ブランコのチェーンに手をかけて立ちながら私を見下ろしている。
だけど。
さっきまでとは違って、怖くない。
「俺、ずっと二葉に会いたかった。
また、話したかった。一緒にいたかった。」
それは、貝斗の声が
こんなにも優しいからかな。
