君と私の恋愛経験値


色々と衝撃だったのに、すっかりバタバタしてて存在忘れてた…
ってことは黙っておこう。



「貝斗も歩き?」



「は?馬鹿、前住んでた家に帰って戻るのが当たり前だろ。だからまたお前ん家の隣だよ」



「え!!?なんで挨拶とか!!来てくれなかったの!?」



「昨日の夜行ったのに
お前既に寝てたんだよ…」



はぁ…と呆れたようにジロリと睨まれる。



うっ…

やっぱり大きくなって、背の高いイケメンに睨まれるのはけっこう怖い。男の子にだってすら慣れてないのに。







「…あんなにいじめられっ子だったのに……」




「はぁ?いつの話だよ」




「小学生の頃!!!!!!!」






あーはいはい、そうでしたね、と軽く私をあしらって携帯を弄りながら私の一歩前を歩く貝斗。



貝斗は小学生の頃、名前に「貝」がついてることがキッカケで軽いいじめをうけていた。




もともと気が弱いし、私より小さかったせいもあって、全然いい返そうとしない貝斗を見ていたらイライラするけど守りたくなって。




私がずっと、貝斗の代わりに言い返して守ってあげてたんだけどなぁ。





いつの間にか追い越された身長のように、貝斗はもう私の知らない貝斗だ。