思えば、昔から私は、まわりを騙し続けて居るようだ。

私は、子供の時分より、心から楽しいと感じた事は、無かったのではないか。

父さんは、表情の少なかった私を、どうにか喜ばせようといろんな所へ連れて行ってくれた。
それに対して、楽しいとはちっとも思えない私は、いつも楽しく笑ったふりをしていた。