グループ全員が見つかったということで担任に報告、そして話し合いがはじめられた
と、言っても話し合うことはそこまでなくいつの間にか雑談になってしまうのなんてよくあることだ
「海理クンて何でいつもぼっちなの?」
「は?何?喧嘩売ってんの?てかそのクンってやめろ。呼び捨てでいいわ」
「んじゃ海理!何でいつもぼっちなの?」
「はったおすぞテメェ」
「いや、ごめんて。だってさ海理性格暗いワケでもないのにホント何で?」
界人の疑問は確かに最もなのかもしれない
海理は別に性格が暗いわけでも不細工なわけでもなかった
深い青緑色の様な黒髪にキリッとした目元
身長だって180はないだろうが175はあるだろう
むしろイケメンと騒がれてもおかしくない
しかし海理の近寄るなオーラやその目つきの悪さから近寄り難いのだろう
本人は1人が好きなのだから問題ないのだろうが周りからしてみれば不思議でならないものだった
「別に。1人でいるの楽だし」
「うわっマジで言ってんの…」
「あぁ、マジだ。」
言外に鬱陶しい、と言っているのがわかる。
しかしわかっていても関係なく突っかかっていくのが界人だ。
「んじゃ、俺がお友達になってやんよ!」
「ウゼェ」
「あ!僕も!折角だし友達になって欲しいな!」
「おう!俺達3人もう友達だよな!」
「…もう勝手にしろ」
バカバカしい
そう思いながら視線をずらすと夏奈と美里が面白いものを見た、というように微笑んできた
何が楽しいんだコイツら
「あれ?てか夏奈ちゃんと美里ちゃんて同中か何か?仲いいよね?」
その1部始終をみていたのか界人がそちらに口を出す
纏まりのないグループだ
「違うよ~。高校からのお友達」
「そうよ。私はここら辺地元だけど夏奈は引越して来たんだって」
「へぇ」
「でも入学式の日にみっちゃんに話しかけたら想像以上に仲良くなれて!」
「好きなモノとか結構被ってたのよね」
ねー、と楽しそうに話しをしている
「直緒は?ここら辺地元なの?」
「僕?違うよー。隣町から通ってんだ!」
「ふぅん。」
「界人は?」
「俺?俺はここら辺地元。て言ってももうちょい山の方だけどな」
「へー、じゃ海理は?」
「……直緒とは違う方の隣町から」
地元の話しや中学時代の思い出を話しながら盛り上がっているのを海理は何が面白いのかわからない、といった様子で眺めている
ぼっちにはわからない話しだ
海理は1人教室を出ていった
