彼女は教えてくれなかった。
彼女はいつも、俺に問うばかりで教えてくれなかった。
彼女を誰よりも知っていたはずなのに。
彼女が自分だけ安全な場所で守られていることを許せるはずがないことを。
それなのにどうしてこんなことになってから気付くなんて。
繰り返し。
繰り返し。
あの日のできごとを思い返す。
そう、繰り返し。
神などいない、祈ることも願うこともやめたはずなのに。
どうか時を巻き戻して、と。
俺は祈って願い続けている。
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