た い よ う

「ステージ予算は落とせないから、飲食系を減らすしかないな。」
「うん。」
会話はそれだけだった。
すぐ教室に着き、今さっきまでの気まずい雰囲気は何処かへ飛んでいった。
「どーだった?」
長谷川が聞いてくる。
如月はそれに答えた。
「これ以上落とさずに済みそう。その代わり飲食系を減らさないと。」
「そうか。」
「そういえば、壮は作曲出来た?」
如月は、ふぅ、とため息をつきながら椅子に座る。
あたしもそれにつられて椅子に座った。
「…まだまだだよ。」
「へぇ。壮にしては珍しいね。」
如月は吃驚した、というような大袈裟な顔をして言った。
「俺も色々忙しいんだって。」
「…へー。ま、頑張って。」