「お前、渚を泣かせたな」
あたしは息を整えながらソイツに言った。
ソイツは起き上がってコッチを見た。
「は?え、何?」
ソイツは未だに状況が掴めてないみたいだ。そんな馬鹿なソイツにわざわざ説明してやるのも面倒臭かったので簡潔に述べる。
「なんで渚の告白断ったんだよ」
ソイツはあぁ、みたいな顔をして、それから笑いながら言った。
「…なんでだと思う?」
「知るかっ!!」
即答。
だって知らないし。
「・・・。」
さすがのソイツも開いた口が塞がらない様子だ。へっざまーみろ。
「今まで結構渚と仲良くしてたじゃんか」
「それは、まぁ…」
ソイツはいきなり口ごもった。はっきりしろよっ!!
「なんで渚の告白断ったんだよ」
あたしは前と同じ台詞を口にした。