そこで一旦言葉を止めて、イルミスは視線をさまよわせた。


「ライナが倒れてしまった……と、聞いたので」

「……っ」


イルミスの、真実とは一部異なる報告を聞いた途端セーラの話を思い出してしまったライナは、危うく声を上げそうになってしまい咄嗟に両手で口元を押さえた。


「ーーライナ?」

「あ、いいえ、何でも……」


取り繕うように笑おうとするライナだが、引きつってしまい笑顔が不自然に歪んでしまった。


「もしかして、体調が優れないのですか? すみません、気付かずに無理をさせて」

「あ、い、いいえ、そうではなくて。すみません、私……」


心配そうに声をかけるイルミスを見て、ライナはこれ以上隠し通せないと悟る。握った右手を胸に当てて、大きく深呼吸をした。


「ーー私、知っているんです。イルミスさんが、倒れていた私を最初に見つけてくれたことを」


イルミスの碧い目が、驚きで大きく見開かれた。