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半分くらい、というのはあながち間違いではない。何故ならば、昨日イルミスに全てを聞くことができなかったからだ。

驚きと嬉しさで破裂しそうになってしまったライナは気持ちが高ぶってしまい、イルミスに沢山のことを聞きたくなった。疑問や懸念がが泉のようにこんこんと湧いて出てくる。ーー実際、そうしたのだが。


『以前私に聞きたいことがあるか尋ねたときは、好きな食べ物のことしか聞かれなかったのですが』


意地悪く笑うイルミスに反論できずにいると、急に真面目な顔をして告げられた。


『今は全てを話す時間がありません。まずは眠って疲れを取るのが先だ』


イルミスの言う通り、ライナはひどく疲れていた。
相手を思うが故の心の疲れと、沢山歩いたり泣いたりした体の疲れ。そのような状況でこれ以上話を続けられないと判断したのだろう。ライナも素直に同意する。


『ーー私も少し、疲れました』


イルミスが珍しく本音らしきものを呟いたことで、ライナは飛び退いた。自分の欲求ばかり満たそうとしていたことがひどく恥ずかしくなる。その時ライナの手元から白い物体がぱらりと落ち、それに気付いたイルミスが拾い上げた。


『あっ、それはーー』