次の日。

仕事に出社するとなんだか皆の様子がおかしかった。

「おはようございます」

「あ・・・おはようございます」

何か変。

「何かあったんですか」

「りあさん」

「真瑠さん」

「どういうことなん!?」

「へ?」

何の事を言っているのかわからない。

私は何のことかと聞き返す。

「りあさん、子持ちなんだってね」

「え・・・あうん」

「なんで言ってくれんかったん?」

「なんで言う必要があるん?」

当然のことだ。

仲が良いと言っても赤の他人。

何故言う必要があるのだろうか。

私には分からなかった。

それで真瑠さんは怒っているのか。

他の人たちもそれで何だか様子がおかしかったのか。

訳分からない。

人は一つや二つ、隠し事はあるだろうに。

まぁすぐに機嫌は治るだろう。

そう思っていたのが甘かった。

その日を堺に真瑠さんは私の話を聴いてくれなくなった。

プライベートはまだいいだろう。

仕事中も聞いてもらえないのだ。

私が「この処理してもらえる?」と聞くが真瑠さんは無視。

手伝ったもくれない。

たかが子どもがいたと言う事を隠していただけで。

人間ってやっぱりわからない。

難しい。

やっぱり私には愛華だけだ。

「璃亜ちゃん!」

「春樹様、どうされました?」

「大事な話があるんだ。仕事終わったら話せないかな?」

「・・・無理です」

「お願い!少しだけでいいから!」

熱心に頭を下げる春樹。

私は負けてしまった。

「・・・分かりました。少しだけなら・・・」

「ありがとう!じゃあまた後で!」

春樹はその場を立ち去った。