私の名前は黒川璃亜(くろかわりあ)。

22歳。

どこにでもいるごく普通に

働いている社会人だ。

職場は地元のホテル。

いわゆるサービス業だ。

働き始めてまだ日の浅い私だが

実は少々困っている。

それは・・・・・・

「りあちゃーん!」

きた。

「璃亜ちゃん、今日も可愛いね」

「どうも・・・」

「ねぇいつになったら僕と付き合ってくれるの?」

「付き合いません」

「またそんなこと言って~」

「おい!」

「ん?」

「テメー春樹!なに璃亜を口説いてんだよ!」

「別にいいじゃん?」

「良くねーよ!!」

「・・・春樹、綾人、やめなよ」

「あぁ?」

「レイくん」

「璃亜が困ってる」

「はー?なにいい子ぶってんの?」

「坊ちゃんはうちに帰って寝てろよな」

「・・・・・・」

始まった。

いつもこうしてフロントの前で喧嘩をする。

何故か知らないが私を好きになったそうだ。

それでわざわざホテルに宿泊に来て私を口説いているみたいだがまったくもって迷惑だ。

人の迷惑を考えないとはこの事だ。

「りあさん。どうするの。喧嘩始めちゃったよ」

「ん。ごめんね」

「や。別にいいんだど・・・」

はー。

なんでこうなるかな・・・。

「あの」

私が声を発すると喧嘩を辞める3人。

「他のお客様に迷惑になりますので喧嘩は他所でお願い致します」

笑顔で私は鍵を渡し追い返えそうとした。

「あははは!気の強いやつだな!それでこそ俺の女だぜ!」

「何いってんの?璃亜ちゃんは僕のだよ」

「違うな。璃亜は誰のものでもない」

「またいい子ぶっちゃって・・・」

「・・・お客様・・・」

笑顔も限界だ。

「なーに?璃亜ちゃん♪」

「・・・・・・いい加減にして帰れ!迷惑だつってんだろうが!!」

怒鳴り声を上げた私に驚いたのか黙る3人。

「・・・・・・わかったわかった帰るよ。今はね」

「また後でなー」

「悪かったな。璃亜」

・・・やっとかえった。

ていうか後でってまた来る気?

いい加減にして欲しいんだけど・・・