胸に手を置き心臓に話しかけていると、カーテンが開いた。
そこから出てきたのは狼らしい耳をつけて狼みたいな大きな尻尾をつけた制服姿の澪ちゃんだった。 え、待って。 私、襲われたい。 立候補する!
思わず私は手をあげて澪ちゃんに近付く。
「んだよ、新田」
「…澪ちゃんかっこよすぎて、草」
「草の使い方間違ってんぞ」
注意されてしまった。 いや、そんなことどうだっていい! こんなイケメンがいらっしゃるんだ! 写真を撮らなきゃ損だ!
そう思ってスマホのカメラを澪ちゃんに向けると私のスマホを取られてしまった。 しかも上の方に上げられてしまってジャンプしても届かない。
「え! なんで! そんな意地悪するの!」
「お前が写真撮ろうとしてるからだろ」
「みんなも撮ってる!」
「ほら!」と周りのみんなを指差すと私の差した指を優しく握って「人を指差すな」とまた注意されてしまった。
頬に軽く膨らませて睨むと軽く髪をガシャとするように撫でられて「お前はダメ」と言った。