衝撃なことを言い放つこのケバ女たちを心の中で盛大につっこむ。 お前らと友達でもなんでもねえよと。
……しかし、気になるのは新田だ。
下を向いて顔が伺えないがアイツの性格上、『そんなのあなたたちには関係ない!』と強気になって言うと思っていたのに新田は口を開いていない。
どうしてだ? もしかして怖くてなんも言えないのか?
そう思って新田の手を見た。ーーーその手は震えていた。
「おい」
なんで震えているんだ? 怖いのか? それとも泣いているのを堪えてるのか?
なんで震えているのかそれを考える前に勝手に体が動いていた。
新田を庇うように新田の前に出てケバ女を睨みつけた。
「え。 ふ、福久くん…?」
「どうしたのぉ? こんな所でぇ」
「私たちびっくりしたぁ」
わざとらしく甘い声を出すこのケバ女に鳥肌が立つ。
こういう男の前だけ態度変えるやつ死ぬほど嫌いなんだよな。
「お前らに用はないんだよ。 さっさとこっから離れろ。 さもないと……わかってるよな?」
声を低くして睨み付けるとケバ女は怯えるように逃げていった。
うわっ、あいつらの香水キツ! 残り香すげえんだけど!