案の定と言うべきか、俺と新田とももちゃんの3人で歩くと注目の的になる。

高校生だが老けて見えるのか大人っぽく見えるのかわからないがどうやらももちゃんを俺たちの子供だと思ってる人が多いらしい。

色んな人から頑張ってるんだねーという目で見られている気がする。 まあ、気のせいだよな。

真ん中にいるももちゃんは楽しげに何かの歌を口ずさんでいる。 よく聞くと聞いた事がない歌できっとももちゃんが自分で作ってるんだろうな。

なんて、ぼんやり考え事をしながら歩いていると後ろから「…ももっ!」と切羽詰まった女の人の声が聞こえて後ろを振り返ると女の人と男の人が息が上がった状態で俺たちを見ていた。

するとももちゃんは俺たちから手を離すとその二人に向かって走っていく。



「ママ! パパ!」

「もも! ごめんね! 目を離して!」

「ももが見つかって良かった」



女の人がももちゃんを抱きしめてその二人を抱きしめる男の人。

ももちゃんのお母さんとお父さんか。 見つかったよかった。 本当に。

新田と目が合い、二人ともホッとしたように笑いあった。