「澪くーん。 今日暇? 暇だよねえ。 遊園地行かなぁーい?」

「いや、いかーー」

「ーー行くよねえ? だって漫画読んでるほど暇だもんねえ?」

「……喜んで行きます」



疑問系ってどういう役割だっけ、なんてふざけたこと思うほどお母さんの断定がすごい。

行くことしか許さないと言われてるみたいだ。

渋々行くと言うとお母さんはスキップしそうなほどハイテンションで俺の部屋から出て行く。 いや、扉閉めて。



「莉衣ちゃーん! 澪行くって!」

「え!ほんとですか!?」

「だからデートたのしんでっ!」



扉が開いてるからなのか声がでかいからなのか一階から聞こえた言葉にびっくりする。

は? いま莉衣ちゃんって言った?


慌てて下に降りてリビングに行くと手を繋いで共に喜びあうお母さんと新田。 いや、なんでいるの。



「あ!澪! デート楽しんできてねっ」

「いやなんでコイツいんの?」

「それは澪ちゃんが好きだからです!」

「……だから理由になってねえって」



こんなバカと遊園地? 絶対行きたくない。

仮病でも使って行かないでおこうかな。