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夏休みになって一週間。 新田莉衣子という女に会って一週間。 そしてそいつが家に来るようになって一週間が経過した。
アイツ、新田莉衣子はなぜか毎日のように俺の家に訪れては俺の部屋で俺のベッドで横になってスマホを触ったり雑誌を見たりする。
しかも、少し丈の短いスカートで。
「お前、なんで毎日くんの?」
「だった澪ちゃんが好きだもん」
「いや、理由になってねえから」
「好きな人とはずっと一緒にいたいの!」
コイツ、遠距離恋愛とか出来ないタイプだななんて思いながら「はいはい」と軽く流す。
だけどそれで充分なのか満足そうな笑顔をいつも俺に見せる。 何がいいんだか。
そんな毎日が過ぎて行って、今日。
午前10時ぐらいに来る新田が来なくて清々するわと思っていたが10時半ぐらいに扉が開いた。
またアイツかと思ったがどうやら違ったらしく、いつもとは声が弾んでるお母さんが俺の名前を呼んだ。
「なんだよ」と読んでいた漫画から顔を上げ、お母さんの方をみると凄くニヤついているお母さんと目が合う。
これは、いい予感がしない。