「じゃあもうここで寝ろ。 俺がリビングで寝るから」

「澪ちゃんも一緒がいいっ!」

「わがまま言うな」



掴まれた腕を離してもらおうと腕を振っても粘り強く離さないコイツ。

どうしようか、と考えて1つ思い出した。


どさり、とうつ伏せになっている新田娘の上に跨って耳元に唇を寄せる。



「ーー襲われたいの?」



甘く、甘く、キャラ崩壊?なんて思われそうなほど自分では考えられないセリフを新田娘の耳元で呟く。

すると新田娘はよほど効いたのか俺を押して、早足で部屋から出て行く。



「いっ、今のは反則ですっ!」



顔を赤くしながらその言葉を残して扉を閉める。

俺は安堵のため息を漏らしたベッドに横になる。 すると新田娘の甘くていい香りがしてなんだか心が騒めく。



「なんだよ、コレ」



またため息を漏らして俺は眠りについた。


甘い甘い、香りの中ーー。