晩御飯を食べ終わり、お風呂も入ってさあ寝ようと自分の部屋の扉を開けたらあらびっくり。

なんと新田娘がうつ伏せで俺のベッドの上で自分のスマホを見ていた。



「いや、なんでお前まだ居るの」

「え〜。 このまま泊まっちゃおうかなって!」

「早く帰れ」



なんで俺の部屋にいるんだよ、と思いながらデスクの椅子に座って漫画アニメ好きのくらちゃんから借りた漫画を読む。

内容はスポ根もので天才だと言われ続けていた中学時代の仲間を高校生になって倒していくといういたってシンプルなストーリーだけどなかなか面白い。


漫画に没頭しているとベッドの方から寝息が聞こえて見てみると新田娘が寝ていた。

しかもワンピースでうつ伏せになっているからかスカートが上がっていて膝下ぐらいの丈の長さが膝上ぐらいの短さになっている。


……なんて無防備なんだろう。 俺じゃなかったら完全に襲われてるぞ。


ため息を漏らして寝ている新田娘の耳元で思いっきり手を叩く。

ビクッと体が動いて突っ伏していた顔を上げて少し舌足らずの声で「れーちゃん…?」と言葉を発する。



「お前、寝るなら家に帰れ。 もしマジで俺んち泊まるならとりあえず風呂入って俺の母親と一緒に寝ろ」

「えー。 澪ちゃんと一緒に寝たい〜」

「黙れ」


「ねえ、ダメなの〜? ねえ〜」と甘えるように俺の腕を掴んで離さない新田娘。 マジでめんどくさい。 鬱陶しい。

だけど俺が「うざい」と言っても「それが私の取り柄なの〜」と返ってくる。 どうしよう、コイツの扱い方がわかんない。