蝉の鳴き声がうるさいこの季節。
明日から高校二年の夏休み。

早く家に帰りたいのに何故か俺は女に呼び止められた。 正直めんどくさくて行かないつもりだったが友達に行けと言われたのでしかたなく女の後を追う。


ついていくと何故か裏庭。 しかも木の陰じゃなく横に花が咲いてるところだ。 いや、日陰にしろよ。

ずっと俺に背を向けていた女はいきなり俺の方を向いた。 てか、誰?



「ふ、福久(ふくひさ)くん……っ!」

「なに?」



なんでこの女俺の名前知ってんの? てかまじで誰?と色々と考えていると女が一歩俺に近づいてきた。



「す、好きですっ…! つっ、付き合ってください!」



顔を真っ赤にさせ、告げてきたのは告白だった。



「じ、実は一年生の時隣のクラスでっ、体育同じでっ、一目惚れしちゃってっ、」



言い訳のように俺を好きになった理由をベラベラと喋る女を見て冷めていく感覚に陥った。