今日の朝目が覚めた時、あの感情は間違いだった。



そう思おう、そういう事にしてしまおう。


私はズルいから自分の気持ちを閉じ込めようとし、蓋をしようとした。



だけれど、消えないし蓋をする事なんて出来なかった。



そうして今も、教室の喧騒の中で席に着いている自分も未だに松原君への持ってはいけない気持ちを持ち合わせていた。



「おはよう真美」


そう春人に挨拶されてもどこかぎこちなくなってしまう。



それに何か察しられてしまうのではないかと目すら見れなかった。





春人にどう接すればいいのか、今までどうやって接してきていたのだろうか。


そればかりが頭の中でぐるぐると回る。



いつも通りなんて無理だ。





授業が始まり集中しようと頭を紛らわす。




そう思ってはいても一番後ろの席の私からは一番前の席の彼の…松原君の背中が見える。


なんで同じクラスになってしまったのだろうと悔やむ。


見ちゃ駄目だ、こんなの私最低すぎる。



目を下に向けて教科書を見つめた。



すると横から紙が飛んできて私の机の上に乗っかった。



なんだろうこれ、指でそれを摘み折られた紙を広げる。



その紙には『今日もしかして体調悪いのか?』
と書いてあった。



私はギュッと指に力を入れて横を見る。




その手紙の主は、春人。