「それはどうかしら。千夏ちゃんの思う通りにすればいいのよ。強いて言えば、ぎゅーっと抱きしめて温め続けるって感じかしらね。形なんてものは変わったり崩れたり、いずれ消えてしまったりするわ。でも胸の中で本当に大切に抱いた気持ちは、そう簡単には壊れないものよ。目に見えるものに、頼りすぎないこと。」
「うん、わかった!またおばあちゃんのお話聞きに来ていい?」
「えぇ、いつでもいらっしゃい。またお花の話でもしましょう。ハーブティー淹れておくから。」
手を振る千夏の影が楽しげに少しずつ見えなくなりました。
咲子おばあちゃんは、よかった、えぇよかったと微笑みました。