「千夏ちゃんくらいの歳ならそう思うのも無理ないわね。私も昔はそうだったから。でもね、好きだけではなんともならないことも、人生にはあるのよ。」
「うーん……。」
「だから、私にとっては特別という言葉こそ特別なのよ。特別は無敵なの。むか〜し、私にとって一番大切な人と決めた合言葉みたいなものね。千夏ちゃんにわかるかしらね。」
「おばあちゃんにとってすごい言葉ってことはわかったけど…、愛していなかったの?そのほうが伝わるじゃない。」
合言葉なら千夏でも学校の友だちと作ったことがありました。
ただ、咲子おばあちゃんの意味深そうなもの言いに千夏は疑問を覚えたのでした。