お昼休みが終わって五時間目の授業が終わり、教室に向かって歩いていると



「藤沢さん…?」



後ろからどこかで聞いたことのある声が
あたしの名前を呼んだ。


気になって後ろを振り向くと、そこにいたのは……


なんと、宇都宮智也くんだった。


あたしが振り返るとニコリ、と爽やかに笑う彼はいつ見てもかっこいい。



「は、はい…?」


でも、王子様的存在の宇都宮くんが
あたしなんかに何の用なのかな?



「コレ、落としたよ」



そういって、宇都宮くんがあたしの前に差し出したのはイエローのフリルのついたハンカチ。