「ひゃあ!!!」



隼斗の優しさに浸りながら歩いていると、
急に視界が暗くなり目元がジワリと温かくなった。


いったい、なに!?



「これでちょっとは目の下のクマ治るんじゃね?」



その正体はぬくぬくのカイロ。

隼斗が無愛想に渡してくれた。


この時期にカイロあっためるなんて
すごく暑かっただろうに……。


季節はもう蝉がうるさく鳴く頃。


なのに……どうしてあたしのためにここまでしてくれるの?



それは…きっと幼なじみだから…だよね?



「っ…ありがと…」



あたしは素直にそのカイロを受け取り、お礼を言った。


隼斗の優しさが妙に心地よくて、
気分が弾んで鼻歌でも歌いたい気分になった。