「お、俺が食べたかっただけ」



そういうと、恥ずかしいのか照れくさいのかなんなのかスタスタと足早に出て行ってしまった。


なんなの……?

また、急に優しくなっちゃって。



そんな隼斗の優しさに
胸がギューッと締めつけられた。



「隼斗っ!!」



あたしは名前を呼びながら
隼斗の後を追って、隣を歩く。



「なに…?」


「ありがとっ!!!」



さっきまでの憂鬱な気持ちが一気に吹き飛んで、今じゃあ信じられないほど嬉しくて自然と笑顔になっていくのが分かる。


なんで、こんなに嬉しい気持ちなるの?



「ん」



返事は短いけど、その返事のわけが照れくさいと思っていたことをあたしは分かっていた。