「わー!待て待て!」
「きゃあー!」
その姿は無邪気で優しくて、愛咲にいつか子供ができたら…と想像すると微笑ましいけど心が痛かった。
それは、誰との子供なんだろう。
きっと、俺じゃない誰か。
相手が俺だったらどんなにいいだろう。
愛咲はきっといい嫁さんになって
いい母さんになるんだろうな。
「ほら、お兄ちゃんもやろーよ!」
「そうだよ。隼斗もやろ!」
俺の周りにも子供たちが集まってきてなんだかそれがすげー可愛くて、一度だけ頷いた。
「お兄ちゃん走るの速ーい!」
「ほら逃げろよ〜
もう追いついちまうぞ〜〜!」
楽しくて楽しくて仕方なかった。
そんな俺の姿を愛咲が優しく微笑んでみていることに俺は気づいていなかった。



