それに俺は好きでも
愛咲は俺のことは嫌いだろうしな。
「うるさいなぁー!
あ!!ブランコ!乗りたい!」
近くの公園が見えて、ブランコが愛咲の視界に入ったのかパァっと花が咲いたように微笑んでブランコに向かって走り出した。
「……本当、ガキ」
そんなことを呟いても、
頬は自然と緩んでいた。
「隼斗も早くおいでよ!」
愛咲が振り返って、笑顔で俺の名前を呼んで
こちらに手招きをしている。
あー…なんなのこの可愛い生き物。
いちいち俺の胸キュンポイントを
ついてくるのやめてくんねぇかな。
ますます、誰にも渡したくなくなるだろーが。
「隼斗!昔みたいに押してよ!」
公園に着いて、ブランコに乗るなり
そんなことを言い出した愛咲。



