「な、なんだとぉーーーー!!!」
「朝からうるせぇな、アホ咲」
心底、迷惑そうな表情を浮かべて
眉を八の字にひそめると、
スタスタと先を歩いていってしまう隼斗。
「ちょちょっ…!!置いてかないでよ!!」
慌てて、そんな隼斗の後を追いかける。
あたしが足の長い隼斗に追いつけるわけもなく、結局あたしのところに戻って来てくれてあたしのペースに合わせて歩いてくれた。
しかも、車道側をいつもさりげなく歩いてくれる。
これはモテるわな…ってあたしでも
たまに思っちゃうくらいズルい男でもある。
しばらく歩いて学校に着いて、ローファーから上靴に履き替えて、“2ーB”と書かれた教室の前に立つ。
小・中学校は全部同じクラス。
そして、高校までも同じクラス……
不運すぎる……!!!!
なんでよりにもよって高校もなの!?
「おい、そこどけよ」
教室の入口付近であたしが
絶望しながら突っ立っていると、
シッシッとまるで邪魔者を追い払うかのように手で払う仕草をしてきた隼斗。