なのに、隼斗は
ジリジリとあたしに近寄ってきて
「やっぱ、泣いてただろ?」
隼斗の予想外の言葉にあたしは
思わず言葉を失った。
え…?
怒っていないの?
「ち、違う!!
あれは、隼斗が倒れてないか心配で!!」
あっ……口にした時にはもう遅くて。
「ふーん、俺のこと心配してくれたんだ」
そういうと、隼斗はあたしから離れてソファーの上にあったTシャツを着てテーブルのイスに腰をかけた。
「あっ、いや、別に……悪い!?」
あたしは恥ずかしくて
可愛くない言い方をしてしまう。
どうせ、あんたのことだから
『きもちわりぃ』
とか、ひっどいこと言うんでしょ?
わかってるんだからね!!!
「悪くない、嬉しい」
隼斗はそういって優しく目を細めて笑った。
え………?
ウソ……っ!
なんで今日は『きもちわりぃ』とか
いつも散々言ってくるような暴言を言わないの?
なんで、なんでそんなに優しく笑うの?
なんか……調子狂う。



