「なっ…!うっさい!」


「うるさいのはどっちだよ………」


「キャンセルしてるなら早く言ってよ!」


「はいはい、ちょっと黙れ」


「なんで…んんっ!!」



またキス……!?
あんたはキス魔かよ!!

しかも、冷静に考えてみればここ外じゃん!



「ちょ…!隼斗!」



あたしが名前をいうと、唇が離れて
再びギュッと優しくそっと抱きしめた。



「マジで……夢じゃないよな?」


「……夢じゃないよ」



あたしだって、夢みたいだよ。


自分のほっぺたをむぎゅうと摘んで
夢か現実なのか確かめたいくらいだよ。


隼斗がそばにいて、
あたしを抱きしめてくれている。


少し前までは隼斗がそばにいることなんて当たり前だったのに今は奇跡みたいに感じるよ。