でも、そんな日は
もう来ないと諦めていたから。
「やっと…手に入れた…」
クイッとあたしの顎をすくい上げて
絡み合う視線。その瞳にトクンと胸が高鳴った。
「…もう二度と離さねぇからな」
「んっ…」
そう言うと、あたしの唇に
とびきり甘いキスを落とした。
何度も角度を変えて激しさを増していく深いキスにあたしはついていくのに必死だった。
それはまるで、二人が離れていた時間を
埋めるかのようなとても幸せなキスだった。
あの日のファーストキスはしょっぱかったのに、今は甘くとろけちゃうようなキスの味がした。
たくさんの支えがあって
やっと交わったあたしたち。
たくさん時間は掛かったし…すれ違いも勘違いもしたけど、どれも素敵な思い出になるんだろうね。
「あっ…でも待って…」
あたしは隼斗のキスを途中で拒んだ。



