「なんで…そんなこと…」
やめてよ……もう期待させないで。
どうせは雪ちゃんのところに戻るんだから。
お願いだから、これ以上好きにさせないで。
「……そんなのお前が好きだからにきまってるだろ」
ボソッと耳元で囁かれた。
吐息が耳にかかり、じんじんと熱を帯びていく。
ねぇ、キミはあたしをどこまで惑わせるの?
「…嘘ばっかり…」
あたしのことなんて
ちっとも好きじゃないくせに…
「はぁー……なんで信じねぇかな」
呆れたように深くため息をついた隼斗。
信じるも何も自分で
雪ちゃんが好きって言ったんじゃん。
「ほんと…アホ…」
そう言いながら人差し指で
あたしのおでこをコツンとつついた。



