「ありがとう……母さん」



いつも母さんは俺のことを考えてくれた。


父さんも普段は優しいけど昔からの夢とだけあって今回ばかりはうるさかった。


だから、父さんを説得するのは大変だと思う。


そんな面倒なことも母さんは受け入れてくれた。


改めて、偉大な母親とだと思った。


あとは………愛咲だけ。


なに勝手にカッコつけてんだよ。


差出人、ウソついてピアス渡してきたり、
母さんには頼み込んだり、アメリカに行くと言い出したり。


お前が好きなの……宇都宮なんだろ?


なのに、なんで俺のためにここまでしてくれんの?


これ以上、淡い期待を抱かせるのはやめてくれよ。



俺はひたすら……ただひたすら走った。


ごめん…雪乃…
でも、俺が好きなのは…愛咲なんだ。