「…ほらよ」
スプーンでプリンを
すくって愛咲の口に運ぶ。
関節キスだとか、あーんをしたとか
きっと、愛咲は何も意識していない。
そんなこと意識してドキドキしてしまっているのは俺だけなんだよな。
「んん〜〜!美味!」
心底嬉しそうに微笑んでほっぺたを抑えている愛咲の姿をみて、俺の頬も自然と緩んだ。
「だろ?」
「だろ?ってこれあたしが選んだんですけど!」
「んなの知るかよ」
「あー!ムカつく!」
もう少し、もう少し優しくなれたら
愛咲は俺のことを好きになってくれる?
もっと、男として意識してくれる?
なんて、ありえねぇよな。
しょせん一方通行の恋で終わるんだ。
それが俺たちにとっても一番いい選択なんだよ。
「お詫びにもう一口!」
「やめとけ。太るぞー」
「うるさい!!」