二人は何も言わずに固まっている。


きっと、この街にいたら
あたしは隼斗に会いたくなる。


というよりも、たぶんどこにいたって
会いたくなるんだと思う。


だけど、さすがに国境を超えちゃったら会いたくても会えないから大丈夫かなって思ったりして…。



「…本気で言ってるの?」


「それでいいのかよ…」


「いいの。邪魔者は退散しなきゃね」



これで、隼斗とは幼なじみでもなく、
友達でもなく、そしてただの隣人でもない




───……他人になるんだ。




「いつ…行くの?」


「予定では来週のつもり」



ママにこのことを話すと、
何も言わないで頷いてくれた。


ママには本当に感謝しなきゃいけない。