母さんはやっぱり俺の最高の母親だ。



「ありがとう…母さん。

母さんは俺の自慢だわ」



これは嘘も偽りもない本当の気持ち。
俺にもやっと家族らしいことができるのかもしれない。



「ええ…そう言ってもらって嬉しいわ」



母さんは嬉しそうにニッコリと笑った。


その笑顔はいつも以上に優しく穏やかに見えたけど少し切なげに瞳が揺れているようにも感じた。


それから、俺は飾らない普段通りの姿で母さんと色んな話をした。


こないだあった体育祭の話とか


…もちろん、愛咲の話は避けた。


だから、ほとんど話の抜けた感じになってしまったけど、母さんは優しく相づちを打って聞いてくれた。



「さすが、隼斗ね」


「当たり前だろ?
俺を誰だと思ってんの」



やっぱり、素の俺でいるのは楽だからいい。



「はいはい、俺様なのはわかったから」



母さんは面白げにクスクスと笑っている。


あー…これが親子らしい会話なんだ。
そう思うと、胸がじんわりと温かくなった。