「隼斗くんのお母様が来てるよ
私…向こう行ってるからゆっくり話してね」



ゆっくりと離れた体。
雪乃は力なく笑うと、病室から出ていった。


それと入れ替わりに母さんが入ってきた。



「隼斗…」



いつもとは違う母さんの声。
母さんの瞳は切なげに揺れていた。



「心配掛けてごめん」



こんなんじゃ俺……
後継者としても息子としてもダメダメだ。

もっと、もっと頑張らないと。



「私こそごめんなさいね…無理させてしまって」



母さんはいつも穏やかで優しい。

どんなに忙しくても俺のことや
香鈴のことをちゃんと見ていてくれる。