これは…夢?

それとも現実?

なんで、愛咲は泣いてんの?



昔から泣いている愛咲の頭を撫でてやるのは俺の仕事だったのに、今はキミに手を伸ばすことすらできない。



「……隼斗のバーカ……」


「んっ…」



その声が耳に届いた時には
もう柔らかい何かで唇が塞がれていた。


ほんの一瞬の出来事だった。


俺………キスされた?

やっぱり、これって夢なのか……?


………現実であってほしいような夢であってほしいような、どちらとも言えない切ない感情が入り交じる。


自分から突き放しといて、そばにいることができない…忘れなきゃいけないはずのキミを今も無意識に探している。


なんで…キスなんか…。


でも、好きな人とファーストキスができてよかった…。