どうしてまたそんなところに行くの?
そう思ったけど、断る理由も見つからなくて
雪ちゃんの言葉にただコクリと頷いた。
屋上のドアを開けると、
ブワッと気持ちいい風が吹いて髪がなびく。
幸い、誰もいないみたいだ。
「愛咲ちゃんにお願いがあるの」
ここに来るまでずっと下を向いて
黙っていた雪ちゃんが口を開いた。
「…なぁに?」
「私ね、昔からずっと隼斗くんのこと好きなの。
だからね、隼斗くんとは……」
雪ちゃんの口から発せられる言葉に
ドクンドクンと心臓がイヤなくらい音を立てる。
「もう会わないで」
そう言われたとき、思わずぎゅっと目を瞑った。
胸が鋭利な刃物で無残に引き裂かれたように痛い。
溢れ出そうな涙を堪え、そっと瞼をあげると
視界に入ったのはシクシクとすすり泣きをしている雪ちゃんの姿。



