この前の香鈴ちゃんの話では家族にも雪ちゃんにも気を使っていると言っていた。
そんな状況で隼斗は
ちゃんと笑えているのかな?
幼なじみのあたしの前でもあまり弱い姿は見せなかった隼斗が
あの日、あたしを抱きしめた……
あのときに隼斗は無意識にあたしに助けを求めていたのかもしれない。
なのに、あたしはその彼を
振り払ってしまってしまった。
あたしなんかよりも
ずっと辛い思いをしていただろうに。
「そ、そうなんだ…」
出来ることなら今すぐにでも
この部屋を出て隼斗に会いにいきたい。
だけど、あたしは
会いに行っちゃダメなんだよ。
だって、会う資格なんてどこにもないから。
『大嫌い』だと嘘をついて突き放した。
そんなあたしが隼斗に会いに行っていいわけがない。
シーツをぎゅっと握りしめ、会いたい気持ちを必死に堪える。



