【愛咲side】
「愛咲っ…!大変!!」
ある日の土曜の昼過ぎ。
あたしが気持ちよく寝ていると、
ドタバタと走ってくるママの声で目を覚ました。
「ん…?ママ?」
ガチャ!とドアが勢いよく開いていた。
あたしは眠たい目をこすりながら
ぼんやりと視界に映るママを見た。
「ママ…おはよ」
「あんたね!おはようじゃないわよ!!」
珍しく慌てている様子のママ。
いつもはゆっくりとしているのに。
あたしはわけが分からず首を傾げた、
「隼斗くんが倒れたのよっ…!!!」
目を擦っていたその手を止め、
あたしは自分の耳を疑った。