「愛咲ちゃんっ!?どうしたの!?」


「…うぅ、ごめんね。何でもないの」



あたしってば、香鈴ちゃんにまで
こんなところ見せて恥ずかしいな。


年下の子に泣き顔を見せちゃって…情けない。



「泣いてるのに何でもないわけないじゃん!」


「大丈夫だよ…!
お兄ちゃんにありがとうって伝えといて。
あっ…香鈴ちゃん。ちょっとだけ待っててくれない?」



あたしはパジャマの袖で涙を拭くと、今出せる最高スピードで二階に行き、引き出しを開けてあるモノを手に持った。



「ごめんね…遅くなって」


「全然いいよっ!」


「これさ…お兄ちゃんに渡しといてくれない?
あっ、あたしからって言うのは秘密にしておいてね」



あたしが渡したのは、
渡そうか迷っていた隼斗へのプレゼント。



半年間一緒に居てくれたお礼としてずいぶん前に購入した。