「あっ、そうだコレ…お兄ちゃんから」
そういって香鈴ちゃんがあたしに
渡してきたのは、コンビニのビニール袋。
「お兄ちゃん、朝から愛咲ちゃんをお姫様だっこして血相かかえて走って帰ってきたから本当にビックリしちゃった」
えっ…?
香鈴ちゃんの口から出た言葉に驚きを隠せない。
「それに、お兄ちゃん…
最近元気ないんだよねー…」
放心状態のあたしを放っておいて、
次から次へと一人で話す香鈴ちゃん。
「さっきなんか、死んだよう目してて、
コレ愛咲ちゃんに渡してこいって言われてさー…。
あんたはミイラかよってツッコミたくなったよ〜!
自分で行けばいいのにねーって愛咲ちゃんと久しぶりに話たかったからいいんだけだね」
死んだような目で……?
それなのに、あたしを気遣って
こんなにたくさんのものを買ってきてくれたの?
さっき、中身を見たら
フルーツゼリーだった。



