「ちょ…隼斗!?」


わけが分からなくて……
一人でテンパっているあたし。


そのくせ、心臓は破裂しちゃいそうなぐらいドキドキしている。



「ごめん……もう少しだけ…こうさせて.……」



いつもとはまるで違う、弱々しい隼斗の声に
あたしは何も言えなかった。


だけど、久しぶりに触れた彼の温もりはやっぱりあたたかくて安心して居心地がよかった。


またこんなことして
あたしの気持ちを膨らませるでしょ?


あたしにもチャンスがあるんじゃないかって


……また無駄な期待ちゃうんだよ。



もう、隼斗の気持ちがわかんない。


そっちから突き放しといて、
こんなふうに抱きしめたりして。



「…ごめん」



あれから何十分くらい
抱きしめられていたのだろう。